PD30をご存知だろうか?
現フィリピン大統領のドゥテルテ大統領のことである。
フィリピンでニュース番組などをみていると「PD30」と表記されている。
なぜ「PD30」なのかと嫁に聞いたところ、Pはプレジデント、
D30はドゥテルテと発音が似ているからとのこと。
ディサーティ、ドゥテルテ。。 似てない。。。
と思っていたところ、嫁の友人が30を英語で発音したら、
「テァルテ」のように発音した!
フィリピン人のR音は舌を巻きまくるのが特徴だ。
巻きすぎて舌を口の中で弾きまくったりする。
以前、日本料理屋で味噌汁をオーダーしたところ、店員が「ミソシルrrrゥウ ヒトツデスネ」と確認してきたので、日本語の「ル」の発音を教示したことがある。
そのフィリピン人の発音だと30が「テァルテ」になるので、最初にDをつけて「ドゥテルテ」となる。。
フィリピン英語の奥は深い。。
ところで、私がセブに留学していた2011年、そのドテルテ氏はまだダバオ市の市長だった。
当時からフィリピンでは有名で、セブ市民からも絶大な人気を誇っていた。
なぜかというと、フィリピンの中でも特に治安の悪い南部ミンダナオ島。ゲリラ事件や爆弾事件などが頻発する島だ。
その島第一の都市であるダバオ市の市長になり、フィリピン随一の治安の良い街に改善させたのだ。
どのような手法かというと、それはまるで桃太郎侍である。
まず、背景から説明すると、フィリピンでは死刑が廃止となった。
死刑が無いので凶悪犯罪で逮捕されても、刑務所暮らしが待っているだけ。
その刑務所は金次第でパラダイスとなる。
刑務所内でドラッグやり放題。
売春婦も訪れるので、女にも困らない。もちろん3食付きだ。
金が無くても、路上暮らししているよりは刑務所暮らしの方がマシだという説もある。
そんな状態では治安はよくならない。
ドテルテ氏は市長なので、法律を修正する権限は無い。
そこで、彼は私兵団を持った。
1度目の犯罪の場合は通常に刑務所送り。
しかし、そいつが出所してまた凶悪犯罪を犯して逮捕された場合、すぐに釈放されるという。
そして、しばらくするとその犯人は街から姿を消す。
私兵団がそいつを消す(殺す)らしいのだ。
そんなこんなで凶悪犯罪者が街から次々と姿を消していく。
恐ろしくて犯罪率が減ったとのことだ。
また、フィリピンではタクシーのボッタクリが横行している。
メーターをオンにしないで高値を吹っ掛けきたり、メーターが加工されていて、ぐんぐんと不当に料金が上がっていくのもある。
ドテルテにはこれにもメスを入れ、ボッタクリが発覚した場合はタクシー会社の営業免許を取り消すとした。
私兵団を持つドテルテの本気度にタクシー会社も改善された。
そしてフィリピン第一の治安の悪い島でも、ダバオ市だけはフィリピン第一に治安がよく、安心して訪れることができる街に改善された。
私も一度訪れたことがあるが、街や道路がフィリピンとは思えないくらい清潔で、もちろんタクシーのボッタクリも無かった。
現在は大統領に選ばれ、その荒療法をフィリピン全土で展開中だ。
そのやり方に非難の声や大衆迎合主義だという人もいる。
私に言わせれば、それは平和なぬるま湯にどっぷりと浸かった人が現地の状況を顧みずに言っている偽善にすぎない。
日本で言えば、フィリピンはまだ足利幕府末期の戦国時代。
各地の豪族が既得権益を享受し中央の覇権が届かない。
山賊が跋扈し、民が苦しんでいる。
そんな中では、桃太郎侍のような超法規的な存在が必要なのだ。
PD30には強権を振るい、どしどしとフィリピンを改善してもらいたい。