私はこれと言ってスポーツをしてこなかったが、30歳になった頃から健康を意識して水泳をするようになった。
最初は25mプールを往復するのがやっとだったが、週2~3回通っていくうちに徐々に気持ちよく泳げるようになり、いつの間にか1回行くと、2kmほど泳ぐようになっていた。
セブでも水泳を続けようと思っていたので、渡航前にしっかりと泳げる競泳用のプールを探したが、どこもリゾード的な楕円や円形のプールばかり。
さらにネット検索を続けたところ、ようやく一つだけ、トレーニングジムとプールがある施設を見つけた。
Cebu Holiday Gym and Spa
http://cebuholidaygymandspa.net/health-%26-fitness
「ホリデイ ホテル」というなんとも安直シンプルな名前のホテルに併設されている。
料金は確かジム・プール・サウナが利用できて100ペソ(200円)くらいだったと記憶している。
実際に利用してみると、ジムとプールはなかなかのものだった。
しかも、セブの人はあまり泳がないので、プールは独り占めできることが多かった。
そんなことで、セブでも私の唯一の趣味と言える水泳をできる場を確保した。
徴兵制
ところで、韓国人男子には兵役がある。
セブへ留学に来た韓国男たちの多くは兵役を終えてきた若者たちだった。
それなりに屈強なのもいれば、そうでないのもいる。
私と同部屋になったうちの1人は、門兵に選ばれたとのことで、兵役の約2年間、ずーっと門の前で出入りする車両に敬礼していたと言っていた。
2年間敬礼し続けるのもしんどいと思うが、他にはかなり過酷な部署もあるようで、楽でよかったと彼は言っていた。
また、別部屋で仲良くなった韓国人の1人は職業軍人の海軍兵だった。
海軍学校を卒業し、任官前の休暇のような勉強期間を取得して来たと言っていた。
やはり職業軍人になるだけあって、ガタイが良い。
私がよく泳ぎに行っていることを知ると、彼も行きたいと言ってきた。
さすが本物の海軍兵士と思ったところ、彼の次の言葉に驚いた。
「泳ぎを教えてほしい」
へ???
彼は立派な海軍兵士である。
短期間の徴兵された兵士ではない。
海軍学校を卒業したと言っていた。
泳げないの。。。?
彼は照れ臭そうに、「海軍と言っても、基本は船の上にいるから泳ぐことは無いんだよ」と言った。
そりゃそうだろうけど、いざというとき泳げなくてどうする!?
以前に何かのTV番組で観たが、海上自衛隊に入隊するには、それはそれは厳しい訓練がされていた。
荒波の海で何時間も泳ぐ訓練もあったと記憶している。
自衛隊の皆様には頭が下がる。
韓国海軍の彼に聞いたところ、まず韓国の小中高校にプールが無いとのことだった。
なので、水泳の授業もない。
ちなみに、これはフィリピンもそうだ。
なので、フィリピンは海に囲まれた国にも関わらず、泳げるひとは少ない。
日本の小中学校では当たり前にあるプールの授業が大変ありがたいものなんだと改めて実感した。
しかし、小中学校になくても、海軍学校で訓練しないのか?
彼曰く、海軍同僚の6割くらいは泳げないと言っていた。
恐るべし韓国海軍。。。
この日から『趣味:水泳』の私が『海軍軍人』に水泳を教える日が始まった。
早速Holiday Gymに行き、実際にどれくらい泳げるのか試したところ、全く泳げない。。
しかし、さすがに海軍にいるだけあって、泳げるようになりたいという情熱は強かった。
素人の私の教えながら、2か月後にはなんとか25mは泳げるようになっていた。
プールの端から端まで泳げるようになって大変喜んでいた。
素人の私にできるのはこのくらいまでだ。
あとは自分で上達してもらうしかない。
しかし、今では日本にとって、潜在敵国と言っても過言ではなくなってしまった韓国。
その韓国海軍兵士を鍛えてしまったのかと振り返るが、プール25m泳げるくらいで、荒波を泳ぐ海上自衛隊には及びもしないだろう。