セブ島での英語留学が始まって1か月ほど過ぎた頃。
同部屋の韓国人2人と私は、年齢差こそだいぶあるが、友人のように仲良くやっており、英語勉強の手伝いなどもしていた。
そんな2人は毎週末、夜遊びに出かけては朝方に戻ってくる生活を始めていた。
彼らの夜遊びが気にかかってきたある週末の夜、いよいよ私にもそのお誘いがやってきた。
彼らは数人の韓国人たちと毎週末クラブへ繰り出していた。
クラブと言っても、おねーちゃんと飲む方のクラブではなく、踊る方のクラブだ。
いや、正確に言うと踊る方でもなく、狼男たちが若いピーナ達を狙う場だった。
私も20代の頃はよくクラブ遊びもしたが、30過ぎてからはとんと行くことはなくなっていた。
20代半ばの若人たちからお誘いを受けた、もう40歳手前になる私であったが、フィリピンという熱いラテンの地が、躊躇なく私に「Yes!I’ll join!」と言わせた。
そんなわけで、日本人の若い奴らにも声をかけて、日韓混成部隊約10名程でシンシティ 夜のセブの街へ繰り出した。
セブのクラブ事情
さすが歌と踊りだけは誰にも負けない気概を持っているフィリピン人。
昼間はやる気なさそうに仕事をしている彼・彼女らもクラブでは別人のように軽快な動きを見せる。
クラブ内の男女比は、約6割が男で、4割が女といったところ。
男の国籍別でみると、韓国7割:フィリピン2割:欧米0.8割:日本0.2割といった感覚だ。(2010年当時)
ちなみに料金は週末で、エントリー+1ドリンク付き、男が100ペソ(約200円)で、女は50ペソ(約100円)。平日は男50ペソ、女フリー。という破格の料金。
韓国男たちの年齢層は20代半ばが多いが、欧米人(といってもほぼ米国人)はリタイアメント世代が多い。
セブ在住の米国人は年金受給者のリタイアメント世代が多い。
物価が安く、言葉が通じて、若いねーちゃんと遊べるフィリピンで年金生活をエンジョイしているわけだ。
当初は、そんな年齢にも関わらずクラブに踊りに来るなんて、さすが米国人と思っていた。
しかし、彼らの顔をよく見ると決して楽しんでいるようには見えない。
後から分かったことだが、彼らはねーちゃんの連れ出しができるKTVというパブで若いピーナ達をピックアップし、ホテルで腰を振るつもりが、ピーナ達のおねだりによりここに連れて来られ、いやいやクラブで腰を振っている状態だった。
なるほど、『ここで体力使ったら後が持ちません』という顔をしていた。
戦闘開始!
さて、私らもこの夜の戦場で一旗揚げるべく果敢な挑戦を開始した。
フィリピンへ行く前は、「日本人の男はもてる」と言われていたし、私もそのように思っていた。
が、しかし。
これが意外と苦戦した。日本のクラブでの成功率とほぼ変わらない。
しかし、時間が深まるにつれ、様相が変わってきた。
徐々に尻の軽い乗りの良いピーナ達が増えだしたのだ。
彼女たちの尻振り誘惑ダンスがすごかった。
※イメージ
この尻振りは日本のクラブでは見れない、まさにラテンの乗りだ。
これも後から分かったことだが、この乗りの良いピーナ達はKTVガールたちだった。
KTVで売れ残り仕事終わりのピーナ達が、次の獲物を求めてクラブへやってきたのだ。
しかし、彼女らもここはプライベート。
KTVとは違い、こっちも見定められる。
うまく行く日もあれば、さよならされてしまう日もあるのだ。
しかし、英語留学という意味では、これは良い結果をもたらした。
昼間に学校で勉強をして、夜に実践することで、英会話が身に付く。
韓国人相手に話すより100倍ましだ。
そんなこんなで、シンシティ セブでの夜間戦闘能力を上げながら、フィリピン生活を深めていくことになっていった。