セブ島での英語留学中、週末には小旅行へよく出かけた。
セブ島というと、それだけで南国リゾートを想像してしまうが、実際のセブ島は東京都の倍以上の面積がある細長い大きな島だ。
いわゆる「リゾート地」は空港のあるマクタン島やそこから小舟でいける小さな島々が一般的。
また、それ以外にもいくつかのリゾート地がセブ島のいくつかの場所に点在する。
私が留学していたのはセブ島の中心にあるセブシティにあったので、リゾート地へはバスなどで南北へ行くことになる。
前回書いたマラパスクアへは北へバスで約4時間。そこから船で40分ほど。
南へ行くと、シキーホール島やドゥマゲッティなどがあり、やはり同じくらい時間がかかる。
私は同じ学校の韓国人たちと仲良くやっていたので、旅行へ行く時には必ず声をかけて、一緒に行くことが多かった。
最初に行ったのはボホール島というセブシティから船で2〜3時間ほどの島だった。
その最初の旅で韓国人たちの習性を知ることになる。。
最初に日本人数名に声をかけてボホール島へ行くことが決まると、韓国人たちにも気軽に一緒に行かないかと声をかけた。
彼らは是非行きたいと言ってきた。
が、一部の賛同しない韓国人から変な噂を立てられた。
「TAKAの旅行は必要以上に高い旅費を請求される。」
必要経費以上に請求して、私が残りをせしめるというのだ。
何の根拠もない話しで、一緒に行くと言った韓国人から問いただされてびっくりした。
私とあまり会話をしたことの無い韓国人からやっかみが入ったのだ。
仕方がないので、概算段階であった経費明細一覧表を全員見せて、最初に伝えた予算が妥当だということを証明することになった。
すると、他の韓国人たちもようやく信用し始めたようで、更に数人の韓国人も加わることになった。
次に旅程やホテルなどを案内すると、ミーティングはいつやるかと言われた。
ミーティング?
韓国人の男は兵役上がりがほとんどだ。
まるで遠征に行く兵站を計画するかのごとく、移動中の水や食料はどれだけ必要か。食料には何を持って行くか。など事細かに決めようと言うのだ。
韓国の女性たちもそれに慣れているようで、当然という顔をしている。
付き合いきれずに「任せるよ」と言うと、彼らは会議室に入って何やら真剣な会議をした。
そして出発の前日に近くのスーパーマーケットで大量のスナック菓子やインスタントラーメンなどを買ってきた。
インスタントラーメンは全て辛ラーメンという韓国のラーメンだ。
そして何より驚いたのが、5Lの水を2つ買ってきた。
2つで10kgにもなる。。
秘境をサバイバルするわけではなく、リゾート地でホテルも予約してあるのに。。
そして、誰が何を持つかを前日に事細かく設定して、当日を迎える。
5kgの水を持つことになったのは一番若い韓国人2人だ。
そして身軽な私たち日本人と行軍さながらの韓国人たちの旅となった。
移動中に他の語学学校の韓国人生徒と思われるいくつかの集団を見かけたが、やはり行軍スタイルだった。
そして、決まって彼らの持ち物は「辛ラーメン」に「ソジュ」と言う韓国の酒だった。
両方ともケースで運んだいた。
彼らには旅先で現地の食べ物や飲み物を楽しもうと言う気は無いようだ。
あくまで韓国のものが一番なのかもしれない。
彼らのその習性には驚くばかりだが、こっちに実害はないので、その後も一緒に小旅行は続けた。
サバイバルの旅をするには韓国人と一緒だと頼りになるかもしれない。。